今回は日本の小さな町に住む、中学生の女の子の話。
彼女はエネルギッシュで頭が良く、常に好奇心旺盛だった。
彼女の日課は近所の”ある鳥”と話をすることだった。
普通とは程遠いその鳥は、元々サンフランシスコにいたという。
ある日、その鳥の足元へパン粉を投げつけながら、日本の貯蓄文化と世界の投資文化の違いを聞いた。
先進国における投資文化
青い鳥は、世界の投資文化から出発して、大きなコントラストを説明し始めた。
「アメリカやヨーロッパの多くの人々は、資産を増やすためや将来のリスクから資本を保護するために投資を行うんだ。」
先進国では貯蓄を育てるために投資に頼る個人が多いことや、なぜこの文化が普及したのかを語った。
「 多くの国々で、公的な年金だけでは将来の生活が保障されないとの懸念から、自己責任での資産形成や退職資金の確保が求められていた背景があったんだよ。 」
続けて、利用可能な投資手段の多様性、投資の理由、および多くの利点に言及し、これらすべてがマネー・マネジメントの主流の方法となっていることを述べた。
「近年の低金利環境下では、銀行預金などの収益が低く、より高いリターンを求めるための投資が増えてる。 」
「アメリカやヨーロッパには、株式投資や不動産投資などの投資文化が根付いており、多くの人々が投資を日常的な活動として捉えているのさ。 」
「インターネットの普及により、投資に関する情報や知識が手軽に得られるようになったでしょ?最近は、初心者でも投資を始めやすくなっているからもっと一般的になってるよね。 」
日本の貯蓄文化
第二次世界大戦後の不安定さを振り返りながら、日本の貯蓄文化の文化的背景を説明し始めた。
「日本政府はお金が必要だった。貯金利率を上げて、国民へ銀行にお金を預けるよう促したのさ。」
「国民も戦争の経験から、安定した生活を求める意識が強まっていた。このため、リスクを取る投資よりも、安全性の高い貯蓄を選ぶ傾向が強くなっていった。 」
「戦後の困難な時代を乗り越える中で、家族との絆や支え合う文化が強化された。将来の家族のために、しっかりとした財産を残すことが重要視されるようになった。日本は相続税がすごく高いのにね。 」
「戦後の日本の企業は、終身雇用制度や年功序列を採用することで、従業員の安定した生活を保障していった。このような制度の下では、給与を受け取りながら安定して貯蓄を積み立てることが可能となっていった。」
このような根深い伝統があるからこそ、両親から
「受け取ったお金はすべて貯金しなさい」
と言われたのだと理解した。
日本だって時代は変わる
インフレなどの経済要因や現在の低金利環境を考慮して、貯蓄だけに頼ることの問題点を説明した。
「昔は10円でもいろんなものが買えたことは知ってる?同じ円なのに、今じゃ10円で買えるものはかなり少ないよね。インフレでお金の価値そのモノが下がったからなんだ。」
「一年間で2%のインフレが健全とされているのだから、今ではもう、低金利な貯金そのものの価値が失われ始めているんだよ。」
「高齢化が年金制度に与える影響もあるし、経済的自立はこれからの世代の重要なテーマだね。 」
『お金が将来の自分のために働いてくれる 。』
『そんな投資の重要性が少しだけわかった気がする。』
『私は、リスクと潜在的なリターンを念頭に置いて、小さな貯金を分散ポートフォリオに投資し始めた。 』
青い鳥は少女の悟りに気づき、少女の心にまいた金の種に満足して飛び去っていった。
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