天気予報の基礎~天気予報ってそもそも何?~

Gold Trivia

天気予報は、私たちの日常生活に深く関わっています。それは、私たちが何を着るか、どこに行くか、さらには農業や建設業などの産業活動にも大きな影響を与えます。

それでは、天気予報はどのように作られるのでしょうか?

その基礎について詳しく見ていきましょう。

まずは、天気予報の種類について。 

3つのタイプ

天気予報の仕事をする気象予報士のイメージ

一般的に、天気予報は「短期予報」、「中期予報」、「長期予報」の3つのタイプがあります。

これらはそれぞれ、予報期間と精度が異なります。

短期予報は、数時間から数日先の天気を予測します。これは、我々が日々の生活を計画するのに最も役立ちます。
短期予報は一日に二度、気象庁から発表されます<短期予報資料>

中期予報は、数日から数週間先の天気を予測します。これは、農業や建設業などの産業活動に大きな影響を与えます。
季節予報は一週間に一度、気象庁から発表されます。<季節予報>

長期予報は、数週間から数ヶ月先の天気を予測します。これは、気候変動の研究や季節予報に使用されます。
季節予報は一週間に一度、気象庁から発表されます。<季節予報>

特殊な予報としては、鉄道気象、電力気象、海上気象、航空気象、洪水予報、雷雨予報、農業気象予報(降霜予報など)、大気汚染気象予報などがあります。防災を目的とした注意報、警報も広義の天気予報に含まれます。また、表現形式によっては、量的予報、確率予報、分布予報、時系列予報などがあります。

では、これらの予報はどのように作られるのでしょうか?

作成に必要な要素

様々な要素を加味して天気を解析するイメージ

天気予報の作成は、気象観測と気象モデルの2つの要素によって行われます。気象観測は、地球上のさまざまな場所で行われ、気象モデルは、これらの観測データを元に天気を予測します。

気象観測は、気象台、船、飛行機、衛星などから行われます。これらの観測データには、気温、湿度、風速、風向、雲の量などが含まれます。

次に、これらの観測データを元に、気象モデルが天気を予測します。気象モデルは、地球の気象現象を数学的に表現したもので、コンピュータによって計算されます。

数値予報が始まった背景には、気象現象にさまざまなスケールのものがあり、各スケールの現象を支配する物理法則に相違があることが深く認識され、天気図に描き出されるような総観スケールの現象を支配する法則が、かなり簡単な方程式で表現されたことがあります。

気象情報を日常で利用するイメージ

しかし、天気予報は必ずしも正確ではありません。それは、気象モデルが完全に正確ではないからです。また、観測データも必ずしも完全ではありません。

それでも、科学者たちは精度を向上させるために日々努力しています。それには、より高度な気象モデルの開発や、より多くの観測データの収集が含まれます。

そして、これらの努力により、天気予報の精度は年々向上しています。それは、私たちの生活をより良くするための重要な一歩です。

天気予報と地球観測

天気予報の解析業務をする気象予報士のイメージ

次に、「天気予報と地球観測」について説明します。地球観測は、地球の気候や環境を調査し、その変化を記録するための科学です。

地球観測には、地上の観測所や衛星からの観測が含まれます。これらの観測データは、気候変動の研究や天気予報の作成に使われます。

地球観測のデータは、地球の気候や環境の変化を理解し、その影響を評価するために重要です。例えば、地球温暖化の影響を評価するためには、長期的な気温の変化を記録する必要があります。

また、地球観測のデータは、自然災害の予測や防災にも使われます。例えば、ハリケーンや洪水の発生を早期に予測することで、被害を最小限に抑えることができます。

1977年、日本の静止気象衛星「ひまわり」が天気予報に利用され始めました。
また、全地球的な気象観測網、資料処理システム、通信網の整備強化を目的とするWWW(世界気象監視)の計画が、WMO(世界気象機関)によって1967年から実施、推進されました。
さらに1970年代には、大気の運動を深く理解し、天気予報の物理学的基礎を発展させることを目的としたGARP(地球大気開発計画)が、WMOとICSU(国際学術連合会議≪現、国際科学会議≫)の共同企画によって行われ、その後も、多くの国際協力による観測が行われてきました。

膨大なデータを処理する気象予報士のイメージ

天気予報は、我々の日常生活に深く関わっています。私たちが何を着るか、どこに行くか、さらには農業や建設業などの産業活動にも大きな影響を与えます。

私たちは、科学的な知識と技術を駆使して、より正確な天気予報を作成するために努力し続けています。これにより、私たちの生活はより良く、より安全になります。

この努力は、未来の世代にとっても重要だと認識しています。気候変動による影響が増える中で、正確な天気予報は、我々が適切な行動を取るための重要なツールとなるでしょう。

科学と技術が進化し続ける限り、天気予報の精度はさらに向上するでしょう。そして、その進化は、私たちの生活をより良くするための重要な一歩となります。

問題 気象予報士試験 専門知識編 第19回(H14 第二回 参考問題)

気象庁における1か月予報では、数値予報モデルによるアンサンブル予報を用いている。アンサンブル予報について述べた次の文章の赤字部①~④の正誤について答えよ。

アンサンブル予報は、解析値に含まれる誤差程度の微小な違いのある①複数の初期値をもとに、予報を行う方法である。アンサンブル予報の長所は、第一に、複数の予報があるので、気温や降水量の高い(多い)・平年並み・低い(少ない)階級が出現する②確率を見積もることができることである。第二に、個々の予報を平均したアンサンブル平均による予報の成績は、個々の予報の予報成績の平均より統計的に見て③よいことである。第三に、予報全体のばらつきが④大きい時に、予報の信頼性が高いと判断できることである。





解答:④ が誤り
近年、短期予報や中期予報に加えて、長期予報も数値予報の利用が進んでいます。長期予報で研究が進んでいる手法の一つがアンサンブル予報という手法です。アンサンブル予報は、解析値に含まれる誤差程度の微小な違いのある複数の初期値をもとに、予報を行う手法です。複数の予報(アンサンブル・メンバー)の集団的振る舞いを統計処理することで、単独予報では得られない情報を抽出する技術です。
アンサンブル予報ではわずかに初期値が異なる複数の予報を行うと、それらの予報結果は予報時間の経過とともに広がっていきます、ばらつきが小さければ予報結果の実現する可能性が高く、大きければ信頼性が悪いと判断できます

気象予報士試験HP 参照
参考文献
アンサンブル予報(気象庁HP)

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