降水過程

Gold Trivia

秋月さんは今日も元気に彼女のオフィスで立派な気象予報士としての仕事をしています。

「こんにちわー!今日は雲の中身について詳しく解説するわよ!」

「雨が、今、どこで降っているのか気になる人は 高解像度降水ナウキャスト を見れば、日本で一番細かい情報が無料で得られるよ。」

雲粒の生成

夕焼け空を流れる雲を見ている

「まず、雲には無数の水滴が詰まっていて、それらが雲粒となるのよ。」 

雲粒は大気中に浮遊する微小な水滴や氷の結晶。大気中の水蒸気が冷えて凝結することで発生するのだそう。

「雲粒が発生するには2つの要素が必要なの。それが温度と湿度なのよね」 

「温度が低く、湿度が高いと水蒸気が凝結しやすく、それが雲粒を形成するの。雲粒がたくさん集まることで、私たちが見ることができる雲が形成されるのよ」

秋月さんが教えてくれた通り、私たちが見る雲は無数の雲粒からできています。その雲粒がどうやって成長するのでしょう?

「雲粒が成長するプロセスは特に雨を降らせる要素なんだよね。それは凝結と衝突・合体という2つのプロセスによって進んでいくのよ」

凝結は、雲粒が成長する必要なステップの一部。

「雲粒が大きくなると、どんどん水蒸気を集めて育つのよね。だから、雲が大きくなって雨雲となるわけ」

次に、衝突・合体プロセスがあります。

「雲粒が小さいときは、上昇気流によって雲の中を浮遊しているんだけど、成長してくると下に落ちてくるのよ。それで、他の雲粒と衝突して大きくなるの。これが、雲粒が雨滴に成長する主要なプロセスなのよね」

「これらのプロセスが終わると、ついに雨が降るのよ。雨滴が雲の下部まで落ちてくると、ついに地表に降るわね。これが降水っていうわけ」 

雨粒が合体している

降水の発生

降水が発生するためには、大気中に何があるといいのでしょうか?

「あ、それならばエアロゾルっていう物質が大事なのよね。エアロゾルは大気中に浮遊する微小な粒子で、水蒸気がこれに結合して雲粒が形成されるの」

「要するに、エアロゾルがないと雲粒が形成されないわけ。だからエアロゾルが多いところでは、雲がよく発生するわね」

エアロゾルは天然の物質、人間の活動から生じる物質の両方を含んでいます。

「そして、このエアロゾルに水蒸気が結合するタイミングで、上昇気流と凝結核が重要になってくるのよね」

「上昇気流がないと、エアロゾルに結合した水蒸気は下に落ちてしまって、雲粒になる前に消えてしまうの。だから、上昇気流は雲粒を雲の中に留めておく役割があるわけ」

「凝結核っていうのは、エアロゾルの中でも特に水蒸気が結合しやすい物質のことを指すの。例えば、塩分や土壌の粒子などがその例ね。これがあると、エアロゾルはより容易に水蒸気を結合させて、雲粒の形成が進むの」

「だから、雲が形成されやすい条件というのは、上昇気流があること、エアロゾルが多いこと、そして凝結核が存在することっていう3つが重要なのよね」

雨粒が氷粒に集まって合体している

冷たい雨とあたたかい雨

しかし、秋月さんによると、雨が降るときにはその雨の種類によって過程が異なるとのこと。

「冷たい雨とあたたかい雨っていうのがあるのよね」

「冷たい雨っていうのは、雪を経由して雨が降る場合を指すの。大気中の温度が低いと、雲粒が雪の結晶になってしまうのよね。でも、地表に近づくにつれて温度が上がるから、雪は雨に変わるのよ」

「一方、あたたかい雨っていうのは、雪を経由せずに雨が降る場合ね。つまり、大気中の温度が高いときに発生するわけ。この場合、雲粒が直接水滴になって地表に降るのよ」

氷粒が落下して融解していく

いろんな種類の雲

雲の図鑑に関する書籍はいくつかあります。様々な種類の雲が人々を魅了しているのです。

秋月さんによると、これらの過程は雲の形状によっても変わるそう。

「雲には色々な形があるけど、それぞれが特定の気象現象と関連しているのよ。この関係を表すのが『十種雲形』っていう分類法なの」

「例えば、積乱雲は強い上昇気流があることを示すわよ。だから、この雲があるところでは豪雨や雷が発生する可能性が高いのよね」

「さらに、高層雲は大気中の高いところで見ることができる雲で、晴れた日によく見かけるわね。これがあると、しばらくは雨は降らないと考えていいわよ」

「これらの雲を見分けることで、個々の気象現象をより正確に予測することができるのよね」

雲を見ることは、天気予報を理解するための大切なスキルなのだそう。

風に吹かれて雲を見上げている

秋月さんは、雲の中に隠された物語を興奮した声で語ります。

「雲一つを見るだけで、水蒸気が雲粒になり、雲粒が雨滴に成長し、最終的に地表に降り落ちるなんて、物理学と化学が複雑に絡み合った壮大なストーリーが展開されてるのよね。それって、ちょっとミステリアスでロマンチックだと思わない?」

私たちは日々の生活の中で、雲や雨を何気なく眺めています。

しかし、その中には大気の物理と化学が複雑に絡み合った壮大な物語が込められているのです。

紅葉のはえる街並みと秋空

天気予報を見たとき、ただ単に明日の天気を知るだけでなく、大気の中で何が起こっているのかを想像する。そうすることで、自然の壮大さや複雑さをより深く理解することができるのよ」

雲が発生する過程には大気の温度や湿度だけでなく、エアロゾルや凝結核なども重要な役割を果たしているのだそうです。これらの複雑な要素が絡み合って、最終的には降水、つまり雨や雪を引き起こすのですね。

「雲を見て、その中に何が起こっているのかを想像することは、自然の不思議さや美しさについて深く理解する一助となるわよ」

一見単純に見える雲や雨の背後には、大気の物理学と化学が複雑に絡み合った壮大な物語があるのです。

秋月さんの解説によれば、「十種雲形」は、雲の形状と気象現象との関連性を示すための分類法で、それによって現在の天候だけでなく、これからどのような天候になるのかも予測することができるそうです。

雲の観察は、ただの天気予想以上のものなのだと秋月さんは教えてくれました。

「天気予報だけでなく、自然を観察することで、自然の複雑さや大気の動きをより深く理解することができるのよ」

気象予報士の収録ブースの一場面

問題 気象予報士試験 一般知識編 第16回(H13 第一回 参考問題)

温度が0度以上の場合における雲粒の生成過程について述べた次の文章の赤字部の正誤を答えよ。

水蒸気を含んだ空気塊が、断熱的に上空に持ち上げられると気温の降下と共に相対湿度が増加し、ついに飽和達する。しかし、さらに温度が下がり相対湿度が100%を超えても、空気塊がちりやほこりなどを含まない清浄な場合にはなかなか水滴が生じない。
これは、水の表面張力が作用しているからである。しかし、実際の大気中では、海塩核のように②吸湿性のエーロゾルが存在するため、ごくわずかな過飽和度でも水滴が生ずることが多い。空気塊が上昇を続ければ、飽和状態が続き、水蒸気分子が水滴に向かって拡散し水滴の上に③凝結することによって、水滴は成長する。





解答:①正 ②正 ③正

気象予報士試験HP 参照

トリビアスーパーヒーローより速い?
雨粒の落下速度は、その大きさによって異なりますが、平均して時速約32キロメートルに達することがあります。これは、あの有名なスーパーヒーロー(スッパマン)より速いかもしれませんね。

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